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イラク戦争は終わったか/BBC特報版 [本]

2003年10月に出版された本です。
情勢、政治の駆け引き、侵攻現場のレポートは今読んでも多くが確かな情報と感心させられます。大量破壊兵器など、いくつかの誤報がありますが。
バクダッド陥落(4/7)から半年、解放の喜びが混乱の暗雲に包まれかけたところで終わっています。解放直後のイラクが、他国の論調が、クルドの変化を見返すと、「破壊者が建設者にはなれない」、「正義の戦争など無い」と痛感させられます。この戦争を支持するのなら、その結果に責任を持たなければならない。しかしわたしはこの戦争に巻き込まれた人々、なかでも子どもたちの死や怪我に責任がとれない。それが自分の身の安全になると思い込むのは見当違いだ。そういう人が恥ずかしい。これは恥辱の戦争で権力の濫用だからだ。最初は確かな脅威はなかった。責任ある人々が学習する前に、はたして何人の命が破壊されなければならないのか。しかし彼らが学ぶことが、果たしてあるのだろうか。(p277)
わたしたちが始めた戦争で殺された兵士の映像に、どうしてわたしたちは抗議できるのか。罪もない一般市民がわたしたちの爆弾で殺される映像を、わたしたちは毎日のように観ているのだ。それは屈辱ですらある。(p278)
「それなら、あなたはどうなんですか」と、枯れはわたしを見返しながら、ゆっくりとした口調で言った。「あなたは恥ずかしくないのですか。よく聞いてください。わたしには妻と家族があります。もしわたしが仕事で失敗したら、もしわたしが政権にたてついたら、家族は殺されてしまうでしょう。それは火を見るよりも明らかです。あなたはなんと弁明しますか? いったいだれがサダム・フセインを作りあげたのですか。イギリス、アメリカ、フランス、ロシアですよ。フセインはあなたがたの身内なんですよ。あなたがたの息子なんだ。(p294)
これこそ群集にとっては、自分たちの国に起きていることを象徴するものだった。アメリカがここにいるのは、新しい政体を作り、アメリカの保護下で新政府をイラク国民に強要するためだ。これでは長い間アメリカに後押しされていたサダム・フセイン政権と同じではないか。(p298)
そしてアメリカは、地上で戦い勝利する力はあっても、占領軍として有効に成果をあげるほどの力はなかった。そのうえ、こうした事態にそなえる代替案を持たなかったのである。(p299)
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